バットの平凡な日常

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『特に事件も無ければ用事もない、これはそんなポカポカ陽気なそんなある日の事―――』



【目的もなくぶらぶらと街を散歩している少年、もといバットとキラー】

いやー………部屋掃除してたらミニチェスが出てくるとは…………
[なんでこんなモンが………?]
さあー?分からん、要らないけどなぁ……難しそうだし。
[だな、売れるかな?]
さあ?
「ん?バットか?」
お、鵺~、久しぶり~、なにしてんのー?
「少し買い物をな、?何だ?それは?」
[ちっちゃいチェスだぜ?部屋の掃除してたら出てきたんだ。]
チェスなんかしないし売れるかねー?って話してたとこ。
そーだ、鵺、チェスやる?
「チェスか?そうだな、たまにはボードゲームもよかろう。」
じゃーあげる。
「良いのか?」
いーのいーの、持ってたって使わないし。
[売れるようなモンでもねーしな]
そゆこと。
「そうか、では有り難くいただこう、ふむ……では変わりといってはなんだがこれをやろう。」
?みかん?
「さっき安かったのでなたくさん買い込んだのだ。」
ん、ありがとー
[お、うまそー。]
「では私はそろそろ、ではまたな。」
うん、じゃねー
[またなー]

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『鵺と別れ散歩を続ける二人、のったりのったりと道を歩いていると再び知り合いと出会います―――』



「あれ?バット君?」
あ、アイリスの姉ちゃんだ。
[ウッス、オィッス、チューッス!]
なんつー挨拶………
「あはは、二人は何してるのかな?」
んー、天気が良いからちょっと散歩をねー
「確かに、今日天気良いもんねー」
[んー、そろそろ昼飯の時間だ。]
いや、まだ早いだろJK……
クゥーーキュルルッ☆
……………………
[…………………]
「……………え、えへへっ?」
……………あげる。
「え!?で、でも……」
いーよ、別にもらいもんだし。
[腹、減ってんだろ?]
「んー……じゃあ、いただきます。」
いえいえ、どーぞどーぞ
「あ、じゃあ代わりにコレあげるね。」
?工具?
「うん、さっき電気屋さんのくじ引きで当たったから。」
ん、じゃあ貰うね、ありがと。
[ほー……わらしべ長者?]
あはは、最後は屋敷と土地が手に入るぜ。
「そうだと良いねー、じゃあ私は行くね。」
うん、じゃーねー。


『工具を貰った二人はアイリスと別れ再び散歩を続けます―――』


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『二人がしばらく道を歩くとバイクの横で立ち往生している者がいます――』



あーキングー!
[よう!色魔!]
「お前ら……第一声がそれかよ……大体色魔ってお前なぁ!」
何やってんの?道の真ん中で。
「ぐっ…はぁ、ま、いーや、何やってるかって?見ての通り、俺の愛機の調子が悪くてな、まあ、直すのは簡単なんだが工具が無くてな、家までは遠いし…………」
[ふっふっふ………ってなんだよこのタイミング。]
んー、仕方ないなー
コキコキーン
工具ー!これ使う?
「お!良いのか!?」
勿論、俺達の仲じゃないかー、フッフッフ……
「引っ掛かる所はあるが有り難く受け止めておく。」
あ、それあげるわ、部屋に自分の工具ぐらいあるし。
「ん?そーか?悪いな、じゃあ代わりにこれやるよ!」
[お!饅頭!]
お饅頭と掛けてる?
[ちげーよ……]
「ま、お礼って事でな、お前らが通り掛かってくれて助かったぜ!家までバイクひいて歩くなんて大変だからな!」
はっはっは感謝しなさーい!…………と、散歩の続き行くわー。
「そうか?じゃあまたな!」
[おう!またなー!]


『工具と引き換えにキングから饅頭を貰った二人、さらに散歩を続けます――』

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『キングを尻目に歩き去る二人、道は再び市街地に入ります―――』



[~♪]
鼻歌やめい!
[なんで?]
俺が恥ずかしい………
[ちっ、しゃーねーなー。]
「…………キラー……」
のわぁ!?
[タイニアァ!?びっくりした………]
ま、また音もなく背後に…………サイレント・キリングの達人か……!?
「どうかした…?」
い、いや驚いただけだから…………
[あ、タイニアは何してたんだ?]
「……別に何も…少し散歩してただけだよ?」
[そっか、実は俺達も散歩してんだよ、奇遇だな?]
「うん、一緒だね。」
んー、そろそろ昼だな…………
[だな、昼飯どきか…]
クゥ~~~ッ
……………………
[……………………]
「……お腹すいた……」
………これあげるよ。
「お饅頭?いいの?」
[別に、俺達ゃまだそんなに腹も減ってねーしな、多分タイニアもそれじゃ足りねーだろ?]
「うん……あ、じゃあこれあげる。」
?キーホルダー?
「うん、今若い女の子に人気なんだって。」
[……………ブッッサイクなキーホルダーだな…………]
いいの?
「うん、お饅頭のお礼」
[ありがとな!タイニア!]
じゃあ俺達はそろそろ行くね、じゃあまたね!
[またな!タイニア!]
「うん、じゃあまたね……」


「キラーがくれたお饅頭…………///」



『タイニアからはキーホルダーを貰った二人、一体この後何があるのか!?』

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『街中を歩く二人、おやおや?いかにも軽そうな声が聞こえてきましたが?――――』



なんだ?
「ちょっとそこのお嬢さん!占いに興味は無いか!?あぁっ!そこの美人のお姉さ~ん!!」
[なんだありゃ……セトファ………占い師なんだかナンパなんやら……………]
はは、キングの兄ちゃんを思い出すね………
「む!?バット!」
へぁ??
「そ!!その指でくるくる回しているキーホルダーは……B―メン君じゃないか!!」
な、何それ?
「キャラ商品でありながらのブサイクさ!そのシュールさがお姉さんからカワイコちゃんまで大人気!今や入手困難な逸品じゃねーか!」
そ、そんなすごいんだ………これ………
[世の中ってわかんねーなぁ………]
「頼む!譲ってくれ!あ、勿論ただとは言わない!お礼に…………このカードをやる!」
……………タロット?
「ああ!古めでそれなりに価値のあるカードだ!頼む!」
え、あ、別にいーけど……
「ホントか!?ありがとう!感謝する!ヒャッホー!よーし、これを餌にナンパ再開だぁー!」
……………行っちゃった…………
[俺が……テンションでおされた………?……]



『セトファにタロットを貰った二人、確かに古くて価値はありそうだ、しかし一体あのテンションはなんだったのでしょうか――』

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『二人はさらに散歩を続行、たどり着いたのはノラッド周辺――』




徒歩でこんなトコまで……
[よくまぁ…………]
「お、バットじゃないか、何やってるんだ?」
あ、ギランの兄ちゃん!
[いやー、ゆらゆら散歩してたらこんなトコまで………]
「そうか、今日天気良いもんな、気持ちはわかるよ。」
そんでもって今わらしべ長者してんの。
「わらしべ……へ?」
[まー、あんま気にする事ないから……]
「そうなのか?ん?何持ってるんだ?」
コレ?タロットだよ、今のわらしべアイテム。
「ふーん、タロットか……」
[興味あるのか?]
「ほんの少しだけね、名前は知ってるけどあんまり詳しくは知らないし。」
…………あげる!
「え?そんな、良いの?」
うん、だからなんかくれ!
「ええっ!?な、なんかって??」
[別になんでも良いぞー]
「さっき買ってきた花ぐらいしかないけど…」
花かー、ランク下がるなー。
「じゃあ交換やめるかい?」
いぃや!それはルールに反する!
[ルールって……何の……]
「え………じゃ、じゃあこれ……はい。」
ありがと!じゃーね!よし、こっから折り返しだ!
[あー……なんか騒がせて悪かったな、またな!]

「……………何だったんだ………?…………」



『散歩の趣旨が変わっていますが、帰り道、街を通って帰ります―――』

7/7

『街を歩く二人、帰路につきます、街で出会ったのは――――』



もう誰にも会わないのかなーー?
[はっはっは、わらしべ長者気取りか?そう簡単にはいかんだろー]
ま、そんなに期待してないけどさ。
ドンッ
「あ、ごめんなさ……」
あ………………アー姉……
[わーお、急展開……]
あ、ひ、久しぶりだね。
「……そうね………」
アー姉、元気だった?病気したりとか………
「大丈夫、見ての通り元気だから。」
う、うん………………
「…………………バット………?」
え……あ…………その…………アアアア、アー姉!これあげる!
「え………花束……?…………ありがと」ニコッ
プシューーッ!!
あ、あわあわあわあわ、そ、それじゃっ!またっ!
「あ………行っちゃった…………スーッ……良い香り……ふふ…♪」



はあ、はあ、はあ………
[あーあ、折角会えたのに逃げ出して……]
い、いきなりだったから、つい……………
「花束もタダであげちまうしな。」
…………い、いや…………物凄い得したと思う……(笑ってた…ニコッて、ニコッて……)、あ~~~~~~もう!!わらしべ長者万歳!!!
[狂ったか?]
誰がじゃ!さっさと帰るぞ!!
[なんなんやら……]




~FIN~

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最終更新:2009年11月21日 13:02